海溝を流れる声 - 閔妃暗殺 - /車木蓉子

アンケート



◆閔妃暗殺については金文子さん角田さんの2冊の本を読んでおり知っていたが、また新たな解釈を聞いた気がします。ともかくもっと明らかにされなければならない「恥ずかしい事件」ではあります。ありがとうございました。(60代男性)

 

◆難しい題材で苦労されたと思いますが、結果は大変良かったと思います。(60代男性)

 

◆皆さんの凛々しい言葉が印象的でした。次々と移り変わる場面を連想させる、素晴らしいものです。また楽しみにしております。ありがとうございました。(30代男性)

 

◆前年の‶ガザ希望のメッセージ″よりわかりやすかったです。題材が重いもので、暗く重いものでしたが、日本側の見方とあちらの国の見方の違いなど少し知りたくなりました。ありがとうございました。(30代女性)

 

◆ものすごく勉強になりました。ありがとうございました。

100分間で数百件の文献(abstract(=要約)だけだけどabstractは重要!)を流し読みできたことは大変貴重な時間でした。ずっと不思議で勉強手つかずのために自分の中で未解決の日清戦争と日露戦争が鮮明につながりました。朝鮮半島と日本の歴史は予想をはるかに超えて深く重いですね。何か所か理解できない点がありましたが、勉強不足(私の)なのだと思います。みなさんの朗読劇ますますのご発展を!! 続編、再演楽しみです。

この題材を取り上げたことは素晴らしい。動機がいまいちわかりにくかった。(50代男性)

 

◆ドキュメンタリーで面白かったです。ただ、もう少し朗読(男性)が上手で、動きがあればと思いました。(60代男性)

 

◆もしも事前に母から解説を聞いていなければ、今日の劇はほとんど分からなかっただろうと思います。それ程僕には難しいお話でした。ただ驚いたのはこういうことが歴史の教科書にのっていないということです。前に母から家永裁判について聞いたことがありますが、似たようなことなのかなと思いました。それにしても、家で何度も練習したり、本を読んで勉強したりして、こういう劇に出るお母さんは、すごいと思いました。他のみなさんもすごいです。(10代男性、出演者の息子さん、中1)

 

◆無駄なものをすべて削ぎ落とし、事実だけを突き付けられたその重さにたじろいてしまいます。字幕に助けられながら、こんなことがあったのかと唯驚き、たった100年前のことでありながら何も知らなかったことの怖さを思いました。韓国ドラマにみられる優雅な衣装の王妃を想像しながら、いかに聡明で、外交にも力を持たれていて、日本にとって邪魔な存在となっていたか、暗殺の原因をもう少しやさしく教えてほしいと思います。

 それにしても車木さんの徹底した取り組みに敬意を覚えます。そして、朗読という素の人間で勝負に挑んだ方々と、効果的な音を出された方々や演出に、心からご苦労様といいたいです。(60代女性)

 

◆ドキュメントのドラマを見ているような1時間半でした。数多くの史実を客観的に示す中からドラマを浮き上がらせていく。最後までぐいぐいと引き込まれました。

 朗読の巧みさで言葉が生きて立ち上がり、まるで目に見えるような場面をつくっていました。

 韓国併合に至る日本帝国主義の動きを学ばせていただきました。ありがとうございました。

(どろのアトリエはすばらしいですね。今後のご活躍がとても楽しみです。)(70代女性)

 

◆難しいお話でしたが、よい劇でした。(40代女性)

 

◆今ちょうど、韓国の歴史書を読んでいます。(朝鮮半島の歴史・朝日新書)閔妃殺害のところにさしかかったところでこの劇に会いました。息つく間もない1時間40分でした。よくわかりました。真実を淡々と語る。新しい手法で、心に残りました。(60代女性)

 

◆歴史的史実を多角的方法で知れたのもよかったですが、いろいろな人の声で語られることが、何よりもいやされる時間でした。(女性)

 

◆歴史もっと知らねばと再認識しました。力作ですねぇ。(60代男性)

 

◆演劇はここまでシンプルになるんだな…と感じ入りました。ドキュメンタリーですね。(女性)

 

◆一言では言い尽くせない。いろいろ考えさせられました。いろいろ歴史を勉強したいと思いました。(60代女性)

 

◆閔妃暗殺を多方面から掘り下げた朗読でした。あまり難しく理解できない。仕方ない事ですが「せき」が気になりました。(70代女性)

 

◆どろの朗読劇とてもよかったです。歴史(この時代はなかなか教えられるチャンスがなく)明治維新来今に至るまで日本の政府のあり方が脈々と続いていることを…日本もダメかなあ…と教えられました。(60代女性)

 

◆詳しい閔妃暗殺の経緯を知りとても興味深かった。ドキュメンタリーの魅力ですね!よく調べられて感心です。(60代男性)

 

◆皆さんの張りのある声を聞くととても緊張感があり、ひきつけられるように聞かせて頂きました。(40代女性)

 

◆事前認識がなく、舞台劇と勘違いしていました。朗読劇でかえって全体の事件像が浮かび上がった様な気がしました。ほぼ韓国で認識されている事件像と重なる様に思います。日本の方にも、もっと見て頂きたく思いました。(60代男性)

 

◆朗読劇の様式は非常にユニークでした。内容についてはほとんどの日本人が知らない内容であり大変勉強になった。(男性)

 

◆知らない歴史がわかってよかった。(60代)

 

◆良い内容を取組まれましたね。演出にいまひとつ工夫を、照明、出演者全員がセリフをいうなど…。

言葉ははきはきしてよく聞こえました。知らなかった歴史を教えてもらいました。(60代女性)

 

◆地名の位置がわからないので地図もうつしてもらえるとより分かる。(30代女性)

 

◆すばらしい。知らなかったことを教えてもらいました。ありがとうございました。

朗読劇は初めてでした。歴史的事実を全く知らないので驚いた。事実を無いことにするのは今だに同じなんだと情けなさを感じた。私たちは、そうはしたくはないと思った。

重い劇ですが、事実であることを心に感じました。(70代男性)

 

◆朗読ならではの迫力があった。(70代男性)

 

◆金文子さんの「朝鮮王妃殺害と日本人」を読みだした時なので多少予備知識があったのでわかりやすかったです。歴史の暗闇に埋もれる国際的な大謀略。116年目に神戸で上演されて感激です。

全く知らなかった歴史で、引き込まれました。初めての朗読劇でしたが、時間があっという間に感じられました。ありがとうございました。(30代女性)

 

◆今になって思うが日本人も随分と人を殺してる点等悪いことだと思う。国民に何も知らされず、政府を信じてたことを思う。(80代以上)

 

◆ともかくよく調べられていることに感心しました。言葉が美しく流れるようでした。最後のエピローグで、朝鮮人はひどいあつかいをされ、日本人はのうのうと過ごしたことがわかり、この事件のひどさがよくわかりやすかったです。みなさんの言葉はよくわかりました。(60代女性)

 

◆知らない歴史を聞き、わが日本軍のありさまをとらえてよき勉強をしました。ありがとう、感謝いたします。(60代男性)

 

◆朗読された方のお声は皆、明確でとても分かりやすく言うことなし!でした。

ただ内容が‶書きことば″だからでしょうか、耳から聞くには難解です。朗読劇にするには、ちょっと不向きかな、と感じました。

しかし中身はすごい、知らないこと、そして重要なこと、こういうたぐいのは今現在でもそこここにあるんじゃないかと心ふさぐ思いでした。

くさいものにはフタ、ではなく、明らかにしていくことがとても大切ですね。(60代女性)

 

◆メリハリがあり良かった。(60代男性)

 

◆むつかしい話ではありましたが少し分かってよかったです。女性はみなさん良かったのですが男性に少し難ありです。(70代)

 

◆キャストのことばは皆さん大体はっきりしていて聞き取りやすかった。

用語で2、3分かりにくいものがあったが、当時の手記だから仕方ないのでしょうね。

大量の資料を掘りおこすだけでも大変だったでしょう。(60代女性)

 

◆戦争責任、加害責任を負った日本の歴史の断面であるこの事件は、かねてより関心がありました。あまり知られていない事件をこのような形で取り上げたことは意義深いと思います。もっともっと広く知らせる必要のある問題だと思います。作者、劇団の方々に敬意を表します。

 私も「戦争責任を心に刻む韓国の旅」に参加し、この事件の現場を訪ねたこともあり、又、新潮社から出版されている本も読みました。とくに朝鮮支配のことは近現代史の中でも軽視されているだけに、もっと公演を通して広めてください。

 他に、安重根、柳寛順など韓国の歴史の中で日本の支配と闘った人々も取り上げてはどうでしょう。その際さらにドラマとして、長編詩として作品化してはどうでしょう。車木さん、劇団どろのみなさんご苦労さまでした。今後のご活躍をお祈りしています。(70代男性)

 

◆大きなテーマに意欲的に挑戦されたことに敬意を表します。以下いくつか気づいた点をメモします。

1、 関連年表の1895年2月27日全琫準が金になっています。

2、 字幕と朗読の不一致、翻訳と通訳など

3、 大使は誤りではないか。公使であった。

4、 事件現場を目撃した人の中にアメリカ人ダイがいたことは間違いないが、ロシア人建築家のサバチンも忘れてはならない。近年、ロシアで資料集が出されている。

5、 参考資料を見ると、かなり専門的に読み込まれているが、金文子の恩師の中塚明氏のものも参考にされたい。(70代男性)

 

◆① 合田さんのこの劇に至るお話がとても理性的でよかったと思います。それは、坂の上の雲と司馬遼太郎への評価の点です。彼が、「坂の上の雲」を書いた当時の到達と最後の認識の変化にふれられたところです。私も調べましたが、司馬氏のルールある経済社会をつくりたいという晩年の思いや朝鮮への見方の変化など大事なことだと思います。一面的全否定でなく、リアルに見られて評価されたことは、大切なことであると思います。そうでなければ、全国民的な視野での明治や日清戦争・日露戦争の正しい評価は、前に進まないと思います。今度かもがわ出版で出る、辻井喬氏の坂の上の雲批評の本は、そこが冷静に書かれていると思います。もちろんテレビへの批判は大事だし、その点でも、今回の朗読劇は、タイムリーであったと思います。

② 以上の理性的な立場から、この朗読劇が、事実を積み重ね、誰が評価しているのかも明らかにして進められた点にまず感銘を覚えました。さすが車木さんだと思いました。

 私は、昨年奈良で、中塚明先生と金文子さんのお話を、奈良の紀元節反対集会と続く大阪での同じ集会へ参加して直接聞くことができました。奈良では民主文学会のかたが、討議のときに、「明成皇后」のビデオを見られての感想を語られたので、早速3月から10月まで、半年かかりで「明成皇后」のこども時代から、殺害までのドラマを見ることができました。全部で連続ドラマ60回以上でしたか?。その後、10月に中塚明先生と行く1984年の東学農民革命の旅に応募し、それまでたっぷりとドラマに沿いながら、朝鮮史を勉強しました。明成皇后殺害前後の歴史と東学農民革命を中心に学びました。

ですから、朗読劇を、聞いていて、あのセリフは、あの本に載っていたと一つ一つが脚色されずに、思い出すこともできました。その点でも、リアルでした。私が、読んでいなかったのは小早川秀雄の手記でした。早速図書館に注文しました。

 それと資料で一つ探してわからずの本がありました。「弁護士交流日記」です。これは、どうしたら手に入りますか。お教えください。神戸も大阪も図書館にはありませんでした。

 この事実に依拠している点と、やはり車木さんの脚本の構成の妙は素晴らしいものですね。この脚本の構成と、朗読劇としての構成・音響・スポットの合田さんの努力が相まって、あきさせることもなく、1時間40分集中できました。

 隣にいた後藤さんも、1時間40分があっと言う間だったと言っていました。

 事実の確認とともに、この構成が大変だったと思います。

③ この時期の朝鮮と日本の関係、特に朝鮮内の大院君と明成皇后、高宗との関係を少しふれるところがあれば、初めての人にも、もう少し分かりやすくなるのでは、と思いました。

 また、東学農民革命の弾圧での日本軍の虐殺の有り様をもう少しリアルに入れてもらいたかった。それでこそ、電信線切断と明成皇后殺害の話が結びついてわかりやすくなると思います。日本の最初の海外での民衆虐殺でもあり、韓国民主化後の法律で、名誉回復とその国民的意義が明らかになってもいます。日本では、この点が教科書でも、韓国民主化後のこの点での動きもほとんど知られていません。あとにつづく中国侵略、南京事件へと続くスタートでもあります。

④ その点では、明成皇后への評価が大事ではと思いました。

 朗読ででてきたように、民衆への圧政の軸に座ったのは、皇后ですし、ミン一族が腐敗の、その象徴でもありました。宮廷・政権への怒りと、それが、日本の進出で、合意までして東学農民革命は、前進を停め、日本の侵略への共同の対応までしたのですから。

 日本側が、電信線切断への対応で明成皇后殺害をはかり、民衆も民族的一致点での運動が強まるのです。このあたりが、ミン妃と呼ぶのか明成皇后と呼ぶのかの微妙なところではあるのですが。(テレビドラマでは、皇后は美化して、周りの一族が腐敗していると描かれていましたが。)

 韓国へ行って、実際の彼らの言葉では、今は明成皇后とよぶと金文子さんが書いておられるよりも、庶民的には、ミン妃が圧倒的でした。公では、おそらく明成皇后と言う方が普通になっているのでしょうね。

 

◆「閔妃暗殺」ご苦労様でした。お疲れ様です。

本当に素晴らしかった。朗読者たちが交互に立ち上がり、スポットライトを浴びて語り始める。

その様はまさに、法廷で証言しているようでもあります。しかし、その法廷とは? 最後に、まったく関係のない3人の朝鮮人が暗殺事件の関係者として捕えられ、死刑に処せられる。そして、三浦梧楼ら真の関係者は無罪放免――。これがフィクションではなく歴史事実であり、やがて1904-5年の日露戦争、1910年の大韓帝国の併合へと続く紛れもない歴史事実であることを冷静に語りかけました。列強諸国への見せかけの近代的法秩序の開陳(法廷が支配権力の補完形態である点は現在でも同じですね)。凄まじい訴求力でした。

 前列中央の女性朗読者(名前を知りませんが)と、後列中央の古川さんが全く適切に全体をリードする間合いを保ちながら、この劇全体を凝縮した内容に融合していましたね。朗読劇であるがゆえに生み出せる緊張感に満ちた舞台でしたよ!

 劇中でも指摘されていた事実、「日本はもちろん、韓国、朝鮮民主主義人民共和国でも、どちらかというと第二義的な歴史事実にして、闇の中に忘れ去られたこと。それについては答えを観客に投げかけたままで舞台上では回答保留でした。それ自体、観客に考えることを求める適切な演出だと考えます。

 私の考えは――、宮廷内の保守派、清国やロシアとの提携を模索していた閔妃に対し、朝鮮の民衆は忌避の姿勢を持ち続けていて、それは現在にまで引き継がれている点が第1。第2の問題として、日本が求めた朝鮮の近代化はあくまでも日本が朝鮮を支配し、領有するための足掛かりとしての朝鮮宮廷の近代化であるということです。朝鮮植民地化を肯定的に論じる人たちの言う朝鮮の近代化、例えば、鉄道網や通信網の整備なども日本にとっての東アジア地域支配のためのインフラストラクチュァ整備だった。全羅南道などへの鉄道整備を顧みなかったのはその一例にすぎません。閔妃殺害後に三浦の言った「これで朝鮮は日本のものになった」の台詞がそれを雄弁に物語っていると思います。いずれにせよ、観客相互間で、また、「どろ」の面々と観客の間で、侃々諤々の論議が展開されんことを願います。現在のTPP論議にも関わる接点を持っていますから。

 本日の朗読劇を鑑賞して見て日本の国家権力の「ひどさ」を改めて理解できました。また、今後もこのような劇を上演されると案内状に記載しておりましたので、期待します。数多くの参考資料の読破と気の遠くなるような作業になると思いますが、ご精励ください。現在の日本政治の権力も、米国政府と手を結び、反資本主義勢力の弾圧に(公安警察)、静かに、裏の社会といった陰惨な行動をしています。さてAD2007年まで62年間熊本市に住んでいました私ですが(その前は京都市と熊本県宇土市に居住)とくに異様な事象を知りました。

 その一つ……熊本市出身の政治家・安達謙蔵が閔妃暗殺団の一員であったことを初めて知りました。大正から昭和の初めに活躍した人ですが(そう思い込んで居た)、熊本市内の閑静な場所(郊外)に、三賢堂(三人を祭神…大名たち)と言う市民向けの道場をつくり、精神修養に提供してあり現存しています。

 その二……慶応大学の創設者、思想家、教育者と承知していましたが、この人も閔妃暗殺団の1人であったことを知りました。(朗読劇の最終部)以上この2名から生存中に暗殺団の一員であったことの反省はあったのでしょうか。国家権力の一端が見えてきます。(80代以上男性)